政治リスクに翻弄される自動車株は、株価指標で見て割安に据え置かれる

 自動車関連株は、日産だけでなく、トヨタやホンダも、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)から見て、割安なバリュエーションに据え置かれています。中でも、日産の低評価が際立っています。

 貿易戦争でターゲットになる不安、世界景気が減速して業績が悪化する不安が、自動車株全体の低評価につながっています。ただし、それに加えて、もう1つ、自動車株の低評価につながっている不安があります。

 将来、EV(電気自動車)が広く普及することによって、ガソリン車のエンジン(内燃機関)を作るインフラが無用になるという不安です。確かに、10~20年後を考えると、その問題は無視できません。ただ、私は、やや不安が先走り過ぎていると、感じています。現在は、世界の車のほとんどはガソリン車で、年々、販売台数が増加している事実があるからです。

 世界の自動車業界で、高い競争力を持つ、トヨタ・ホンダ・日産には、一定の投資ポジションを持っていいと思います。ただ、自動車株にばかりたくさん投資するのも問題です。トヨタかホンダか日産、どれか1つでいいと思います。

 なお、自動車株よりも、タイヤで世界首位、グローバルに高いブランド力を持つブリヂストンの方が、長期投資で、よりディフェンシブと考えています。ブリヂストンだけ持つというのでも、良いと思います。

 

 

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