皆さんこんにちは。毎月トウシルで「お宝優待株」を連載しております、まる子です。今回は改めて私が株主優待にハマった理由や株主優待の魅力について少しお話します。

 そもそも株式投資を始めたのは25年ほど前。ようやくネット環境も整い、ネット証券会社さんも出始めた頃でした。初めは初心者の皆さんと同様、どんな株を買っていいかも分からず、とりあえず「配当」を出している会社や、新聞を読んで「業績」などを見て、日経平均採用銘柄の大型株を買っていました。

 その後IPO(新規公開株)投資やデイトレもどきも体験しましたが、「何だか面白くない…。」ただ株価が「上がった」、「下がった」と数字だけを機械的に見ているようで、株を保有している会社にもあまり愛着を感じられませんでした。

 そんな時に届く株主優待は、企業からの「プレゼント」、「感謝のしるし」にも感じましたし、株価が下がっていても「優待があるからまぁいいかー」と、ギスギスした心を落ち着かせるお薬でもありました。

 私が株主投資を始めた頃は今のように株価が右肩上がりではなく、市場が低迷していた頃もあったので、株主優待が届くとうれしさもひとしお。配当は振り込みですのでもらった実感があまり湧きませんが、株主優待は実際に手に取り、目で見て、実感できるのもうれしかったです。

 そんな身近な幸せを感じられる株主優待投資にはまって早20年近く。私がとりこになった株主優待の魅力を少しでも皆さんにお伝えできたらいいなと思っています。

そもそも株主優待って何?どうやって選べばいい?

 そもそも株主優待とは企業が一定数の株券を権利確定日に保有していた株主に対して与える優待制度。現在上場している約3,900社の内、およそ1,400社が導入しています。諸外国ではあまり見ない制度で、お中元、お歳暮といった「贈り物文化」のある日本独自の株主還元策となっています。ただ、優待導入企業は2019年がピークで現在は減少傾向となっています。

 初めて優待株を買われる方は、「権利日が3月末なのだから、優待が届くのは2週間後ぐらいかな」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでも3月末の権利日(今年の権利日は3月27日)に株を買い、およそ3カ月後の株主総会後に届くのが通例となっています。

 そのため、12月に家の近所にある外食系の優待株を購入したが、3月に転勤が決まり、引っ越し先には使えるお店がない!という悲劇も起こりかねませんし、逆に夏休みのレジャー計画を3月優待銘柄から探すということもできます。株投資、優待投資は少しの「想像力」と「妄想」を働かすと、より楽しくなりますよ。

 では、どの企業の株を買えばよいのか。株主優待を出している会社が約1,400社もあると、どの会社を選んでよいか迷ってしまいますよね。最近は高配当銘柄も人気で優待と配当どちらも魅力的ですと、権利落ちも激しく、3,000円の優待券と配当1,000円をもらおうとしたのに、株価が1万円も下落とか。

 私からのアドバイスは

  1. 余剰資金で分散投資
  2. 自分が「欲しい」「使える」「楽しいと思える」銘柄で
  3. 狙ったターゲットをしっかりウオッチして、下がったところで買う

 シンプルですが、この3点に尽きると思います。

 権利落ちで下がったところを買っても、実際に株主優待を手にするのは次の権利後なので、年に2回なら9カ月後、年に1回の優待なら15カ月後となってしまいますが、毎月一つでも優待銘柄を買っていれば、何かしらの優待品が届きます。また、分散投資という意味でも多額を一つの銘柄に投資するよりも、10万円で数銘柄買った方が楽しみも広がります。

 株主優待は使ってナンボ。特に外食系の優待券は使わないとただの紙切れになってしまいます。せっかく届いた優待券も「お店が近くにない」とか「夜は出られないのに、ランチ営業をしていない」とか。その辺りのリサーチは皆さま抜かりなく。

 かく言う私もイオン(8267)の店舗が自宅周辺に全くないので、オススメ銘柄に挙げていますが、一度も権利を取ったことがありません。残念ながら私にとってイオンオーナーズカードは「使えない」優待なのですよね…。

新NISA・脱コロナが優待にも影響!

 新NISA (ニーサ:少額投資非課税制度)制度も今年から始まり、個人投資家の囲い込みか、株主優待制度を工夫しうまく使っている企業も増えているように思います。

 確かに新規優待ではクオカードやプレミアム優待倶楽部が多いですが、毎年優待の詰め合わせの内容を変更したり、コロナ禍では中止していた工場見学や株主との懇談会などの対話も復活してきたり、抽選で海外の自社工場見学会にご招待や太陽光発電システムの設置などワクワクする優待もありますよね。

 株主との対話といえば私の好きな株主総会ですが、コロナ禍を経て、こちらも随分と様変わりしてしまいました。

 以前の「シャンシャン総会」から、コロナ禍前は、企業側も「対話」を重視する傾向が強く、総会会場のロビーに自社製品を展示したり、総会後に会社説明会や懇談会を開催したり、個人株主に対してとても優しかったのですが、現在は株主の公平を鑑みてお土産を廃止する会社が増え、楽しみが減ってしまったのは寂しい限りです。

 コロナ禍前のような株主総会の復活は残念ながら難しそうです。

 株投資にはいろいろな手段、方法があり、株を買っている理由も千差万別、人それぞれ。どれが正しい、何が間違っているかを探すのではなく、人と比べることもせず、自分が納得でき、楽しければよいのではないでしょうか。株主優待は株投資の一つの楽しさを提供してくれるもの。そんな「あなただけの特別な優待」を見つけてほしいです。