※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の吉田 哲が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「中央銀行が金(ゴールド)に注目する理由」
中央銀行は今や「クジラ」のような存在
中央銀行は「銀行の銀行」と呼ばれています。通貨を発行したり、物価と雇用を安定させるために金融政策を検討・決定したり、事態急変に備えて外貨準備高を保有したりする公的な金融機関です。例えば、日本では日本銀行が、米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)が、EU(欧州連合)ではECB(欧州中央銀行)が、その役割を担っています。
図:中央銀行による金(ゴールド)積み上げ量(購入-売却)の推移 単位:トン
グラフの通り、ウクライナ戦争が勃発したり、米国で急な利上げが行われたりした2022年に金(ゴールド)の積み上げ量(購入-売却)は、統計史上最大となりました。リーマンショック発生後、特に2010年ごろから増加傾向が目立っていた中での出来事でした。
多くの中央銀行は外貨準備高の一部を金(ゴールド)で保有しています。2023年の積み上げ量は、金(ゴールド)の全需要の23.2%に達しました(WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)のデータより)。2010年がわずか1.9%だったことを考えれば、同年以降いかに中央銀行が及ぼす金(ゴールド)相場への影響力が大きくなったかがうかがえます。
株式市場において年金基金などの莫大(ばくだい)な資金を有する存在は、市場環境を大きく変化させ得るため「クジラ」と例えることがあります。それに倣えば、近年の中央銀行は、金(ゴールド)市場にとってクジラだと言えるでしょう。
その中央銀行は、以下のとおり、筆者が提唱する七つ(円建ての場合は八つ)のテーマの一つです。近年の金(ゴールド)市場を分析するためには各テーマがもたらす上下の圧力を同時に見渡す必要があり、中央銀行はその圧力の一翼を担う、大変に重要なテーマです。
図:金(ゴールド)に関わる七つのテーマ(2024年 筆者イメージ)
今回のレポートでは、世界的な金(ゴールド)の調査機関であるWGCが毎年行っている「中央銀行調査」の最新版(2024年版 6月18日公表)を基に、中央銀行の足元の関心事は何か、何を根拠に金(ゴールド)を積み上げているのか、今後、外貨準備高をどのように構築していこうと考えているのか、などを確認します。




















































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