「分断」起因の金相場への上昇圧力は長期化か!?
スウェーデンのヨーテボリ大学のV-Dem研究所が公表する、自由民主主義指数の状況を確認すると、すでに世界は2分割されているように見えます。
青が濃いほど自由で民主的であり、赤が濃いほどそうでないことを示しています。(行政の抑制と均衡、市民の自由の尊重、法の支配、立法府と司法の独立性など、自由・民主主義的な傾向を示す複数の側面から、このデータは計算されている)
図:自由民主主義指数(2021年)
W杯と国連決議で、「非西側」に回っている国々の多くは、赤やオレンジの国々、つまり「民主的でない」国々です。
W杯と国連決議の状況はほんの一例にすぎず、もはや世界全体としては「分断」が鮮明になっていると言えるでしょう。(世界全体として分断が起きているから、W杯や国連決議でも分断が起きている)
「黒い悪」を絶滅させるため、強力なルールを作ると、何が起きるでしょうか。そのルールにしばられない「グレーな悪」が誕生し、また別の軋轢(あつれき)が生じます。
西側がやろうとしている「民主化」や「脱炭素」は、白(純粋な状態)を目指す行為だと言えるでしょう。かえってその行為が、「非西側」を生み、団結を強めている可能性があると、筆者は考えています。
今、分断を解消するために役立つ第三者を探すことすら困難な状況にあるため(国連も機能不全状態)、分断は長期化する可能性があります。金(ゴールド)相場への、分断起因の上昇圧力は、長期化する可能性があると筆者は考えています。