中国企業が資金の主な供給源
以下のグラフは、カタール大会のために、FIFAのパートナー企業、スポンサー企業が拠出した資金の額を示しています(1年あたり。カタールでの開催決定は2010年)。vivo、万達集団(ワンダグループ)、など中国の企業が多額の資金を拠出していることがわかります。
中国企業の他、コカ・コーラ、Visaなどの米国の企業、カタール航空、カタールエナジーなどの開催国カタールの企業、アディダス(ドイツ)、ヒョンデ モーター(韓国)、Crypt.com(シンガポール)などもあります。
大会期間中、試合中のピッチ周辺に広告として掲示されるこうした企業たちのロゴは、インターネットでの視聴を含めると50億人とも言われる視聴者の目に入ります。
図:カタール大会に向けたパートナー企業、スポンサー企業の拠出額(年あたり) 単位:百万ドル
W杯の競技場を作るために、違法な労働が発生した(人権問題の上に競技場が存在する)可能性があることを、ドイツをはじめ、複数の欧州の国が指摘していますが、このことは欧州の企業が今大会のパートナー企業、スポンサー企業に名乗りを上げなかった一因と考えられます。
サッカーの最高峰の大会であるW杯のパートナー・スポンサーにおいて中国の企業が支配的であることが、どこか、前回の「逆さから見る民主主義 コモディティ価格はどう動く!?」で述べた、世界全体において、民主的でない国家が支配的になりつつあることと重なるのは、筆者だけではないはずです。