「分断」はスポーツの大会だけではない
西側の影響力が低下し、「分断」が生じているのは、W杯だけではありません。ウクライナ情勢をめぐる国連決議でも起きています。
以下は、11月14日に行われた国連決議「ロシアに対してウクライナ侵攻による損害の賠償を要求」の結果です。
193カ国中、西側を中心とした94カ国が賛成(ロシアを否定)しましたが、99カ国(反対13カ国+棄権74カ国+未投票12カ国)が、ロシアを否定しませんでした。99カ国の内訳は、「ロシアと隣接するアジア諸国の一部」、「OPECプラス」「旧ソ連諸国」「南米・アフリカの鉱物資源国」です。
図:国連決議(11月14日)「ロシアに対してウクライナ侵攻による損害の賠償を要求」
もともとロシアになびきやすい国、化石燃料が重要な収益源で西側が提唱する「脱炭素」を受け入れにくい国、独裁色が強く西側が推進する「人権重視」を容認しにくい国などです。
つまり、細かい文脈は異なれど、「西側と考えが合いにくい国」が、国連決議の場で「非西側」を表明しているのです。
スポーツの世界でも、ウクライナ情勢をめぐっても、「西側」と「非西側」の分断が目立っています。