今、JR東日本に注目する理由

 JR4社とも、中期的な成長力を考えれば、投資価値は高いと考えています。ただし、4社で相対比較すれば、東京を地盤に持ち、不動産・小売など多角化事業で高い競争力を持つJR東日本の投資価値が一番高いと考えています。

 JR東日本は、事実上、日本最強の不動産会社だと考えています。日本の不動産価格は、JR駅周辺がもっとも高く、駅から遠くなるにつれて下がる傾向があるからです。JR東日本は、東京駅周辺などで、不要になった鉄道用地や施設を再開発して高い競争力を有するオフィスビルを次々と作ってきました。土地購入費が不要で、最強の立地にオフィスビルを建てられるので、事実上、最強の不動産会社と考えています。

 2019年3月末時点で、賃貸不動産に1兆4,661億円もの含み益を有します。含み益の大きさで、三菱地所・三井不動産・住友不動産についで第4位です。
 今期は、台風19号で大きな被害を受けたことに加え、新型コロナウイルスの影響もあり、JR東日本の株価は大きく下がりました。今、投資していく良いタイミングと思います。

株主優待が魅力的なJR4社、JR東日本は株主優待の拡充を発表

 JR4社は、運賃・料金の割引券などを、株主優待品として、3月末の株主に贈呈しています。新幹線などを利用することの多い個人投資家に、好評です。株主優待が魅力的な、安定成長株として、長期投資していく価値が高いと考えています。

 JR東日本は2月4日、株主優待の拡充を発表しました。従来、新幹線の乗車券・特急利用料金などが2割引きになる株主優待割引券を、3月末に100株保有する株主に対し、1枚贈ってきました。それを、今後は4割引き券とします。参考:JR東日本の株主優待

 JRの株主割引券の有効期限は1年です。有効期限内に使う予定がなければ、ネットで売却することもできます。「JR東日本 優待券 売却」で検索すると、さまざまな買取価格が出てきます。買い取り価格は、時々の需給で変動します。有効期限の残りが短すぎると、売却できないこともあります。

 JR東日本を100株保有すると、JR東日本グループが提供する宿泊施設やレストラン、駅レンタカー、GALA湯沢スキー場リフト券・レンタル料金、リラクゼ利用料金などが割引になる株主サービス券も贈られます。詳しい内容は、同社ウェブサイトや楽天証券で確認してください。株主優待内容は、予告なしに変更されることもありますので、最新の情報をチェックするようにしてください。

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