新型コロナショックで急落するJR4社を「ディフェンシブ株」として見直し

 日経平均の下値不安が残る中、時間分散しながら日本株の投資を始めるならば、最初は、ディフェンシブ株【注】から投資した方が良いと思います。ディフェンシブ銘柄の代表として、JR4社の投資価値が高いと判断しています。

【注】ディフェンシブ株
 景気変動の影響を受けにくい株のこと。鉄道輸送は、景気変動の影響を受けにくい公共サービスの1つで、JRは代表的ディフェンシブ株です。世界景気が悪化する局面で、鉄道各社は、景気敏感株(電機・機械・自動車など)ほど業績が悪化しません。ただし、景気変動の影響をまったく受けないわけではありません。あくまでも、相対比較で、受けにくいというだけです。

 ディフェンシブ株は、通常、景気悪化による日経平均下落局面で、相対的に下落率が小さくなります。景気変動による業績への影響が小さいからです。ところが、今回の日経平均下落局面で、ディフェンシブ株の代表ともいえる、JR東日本・東海・西日本は、日経平均を上回る下落率となりました。

JR4社株価と日経平均の動き比較:2019年末~20年3月4日

注:2019年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成

 新型コロナウイルスによる景気悪化が、通常の景気悪化と性質が異なるからです。通常は、製造業の業績悪化が目立ち、サービス業や電鉄業は、相対的に堅調です。ところが、今回は異なります。感染拡大を抑える目的で、観光業などサービス業や、運輸業(航空・電鉄業)などに悪影響が出ています。

 JR各社も、外国人観光客の減少で、新幹線や観光列車、観光ホテルなどの利用が減少しています。その影響が懸念され、JR各社は日経平均よりも下落率が大きくなっています。
 ただし、新型コロナウイルスの影響は、長い目で見て、一時的と考えています。長期的にみて、JR各社が「ディフェンシブな安定成長株」であることに変わりはないと予想しています。したがって、JR各社は今、良い買い場を迎えていると考えています。

 投資するのに魅力的な順は、JR東日本JR東海JR西日本JR九州だと思います。