株主優待が魅力的なJR4社

 JR4社は、運賃・料金の割引券などを、株主優待品として、3月末の株主に贈呈しています。新幹線などを利用することの多い個人投資家に、好評です。株主優待が魅力的な、安定成長株として、長期投資していく価値が高いと考えています。

 JR東日本は、新幹線の乗車券・特急利用料金などが2割引になる株主優待割引券を、3月末に100株保有する株主に対し、1枚贈ります。有効期限は1年です。有効期限内に使う予定がなければ、ネットで売却することもできます。「JR東日本 優待券 売却」で検索すると、さまざまな買取価格が出てきます。買取価格は、時々の需給で変動します。有効期限が短すぎると、売却できないこともあります。

 JR東日本を100株保有すると、JR東日本グループが提供する宿泊施設やレストラン、駅レンタカー、GALA湯沢スキー場リフト券・レンタル料金、リラクゼ利用料金などが割引になる株主サービス券も贈られます。詳しい内容は、同社HPまたは、弊社HPで確認してください。株主優待内容は、予告なしに変更されることもありますので、最新の情報をチェックするようにしてください。

 安定成長株ではあっても、毎年の成長率は高くないので、株式市場で熱狂的に買われることはあまりありません。その分、株価はPER(株価収益率)で見て、やや割安に据え置かれていると考えています。

JR4社の株価バリュエーション:2019年11月13日

出所:配当利回りは、今期の1株当たり配当金(会社予想)を11月13日終値で割って算出。PERは、11月13日終値を、今期の1株当たり利益(会社予想)で割って算出。楽天証券経済研究所が作成

JR以外の私鉄各社も、インバウンド需要拡大が追い風

 私鉄各社は、1980年代に競ってリゾート開発に進出したが、いずれも、1990年代のバブル崩壊で、失敗に終わりました。ところが、そのリゾート路線が、今、インバウンド需要の拡大を受けて、収益拡大に寄与するようになりました。

 日光・鬼怒川リゾート・東京スカイツリーなどの観光資源を持つ東武鉄道(9001)がその恩恵を受けています。また、東京・赤坂の旧赤坂プリンスの再開発を成功させた西武HLDG(9024)も、インバウンド需要拡大の追い風に乗ります。京成電鉄(9009)は、成田空港と都心を結ぶ特急の利用拡大で収益を伸ばしています。

 複々線工事を完了させ、輸送能力を拡大する小田急電鉄(9007)は、競合路線に対し、競争力が向上します。箱根へのアジアからの観光客誘致も、成果をあげつつあります。

 近鉄グループHLDG(9041)は、あべのハルカス(大阪市阿倍野区にある日本でもっとも高い摩天楼)・奈良・伊勢志摩・熊野三山などの観光資源を持ち、「青の交響曲」などの高級観光列車が好調です。

 ただし、JR以外の私鉄は、新幹線を持たないため、成長余地は限られます。投資価値は、JR4社の方が高いと判断しています。

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