グローバル・ウォーターへの投資に注目するなら

 前述した「グローバル・ウォーター指数」(ナスダックOMXグローバル・ウォーター指数)は、世界の株式市場に上場されている飲料水、家庭用水、工業用水の処理・節約・浄化のための製品・サービス提供に携わる企業群で構成されています。ウォーター・ビジネスに世界規模で投資したいのであれば、グロ-バル・ウォーター指数と連動する投資成果を目指す海外ETF(上場投資信託)を活用することが可能です。

「インベスコ・グローバル・ウォーターETF」(PIO)は、世界の水資源関連銘柄に投資をしているファンドです。ナスダックOMXグローバル・ウォーター指数の配当込み総収益に連動する投資成果を目指しており、水資源関連事業に注力する約46銘柄に分散投資しています(2月時点)。同ETFの取引価格は、昨年の秋から年末までの世界株安では大幅調整を余儀なくされましたが、世界的に景況感が鈍化する中、今年に入っては戻り基調を鮮明にしています(図表3)。

 現在、PIOの取引単価は26.46ドル前後で、年初来騰落率は+14.4%とS&P500指数(同+11.5%)やTOPIX(同+8.5%)より優勢となっています(2月27日)。

 図表4では、同ファンドが投資をしている上位組入れ銘柄(1位から15位まで)の期間別総収益率を示しました。日本企業からはTOTO(5332)が13位にあり興味深い点です。水資源関連事業にハデさはありませんが、世界が景気停滞局面にあっても相対的には着実な需要拡大が見込まれる分野と考えられます。

 国際分散投資を検討する上で、安定成長を担う一翼を検討する際には、グローバル・ウォーター関連のETF(PIO)に注目したいと思います。

図表3:世界の水資源関連銘柄に分散投資する海外ETF

注:上記は参考情報であり、特定のETFへの投資を推奨する目的のものではありません。
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2016/1/1~2019/2/27)

図表4:ETF(PIO)の上位組入れ銘柄(参考情報)

注:上記はインベスコ・グローバル・ウォーターETFの上位組入銘柄と期間別総収益率(実績)を示した参考情報です。 上記は個別銘柄を推奨するものではなく、総収益率は将来の投資成果を保証するものではありません
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2019/2/27時点)

▼もっと読む!著者おすすめのバックナンバー

2019年2月22日:3月危機説?株価急落なら高ROEに注目

2019年2月15日:日本株だけでいい?米国株にも投資したいなら

2019年2月8日:投資の好機はどこにある?新興国株、小型株、半導体株?

▼他の新着オススメ連載

今日のマーケット・キーワード:『電子部品』各社は車載に加え医療向けを強化

今日、あの日:青春18きっぷの販売開始【37年前の3月1日】