このリスクオン相場は持続可能なのであろうか?

 10年近く上がった現在の米国株式市場で、筆者は長期の買いポジションを持ちたくない。したがって、現在の株式市場では短期売買しかやっていない。2019年相場は保有でなく売買で稼ぐ年であろう。

 FRBのハト派転換で株式市場のボラティリティが急速に低下し、米国株のジリ高相場が2カ月間も続いている。ドル/円相場も基本的に米国株連動相場になっている。

NYダウ(日足)

上段:オプションボラティリティ(赤)
下段:14日ATR(緑)
出所:石原順

ドル/円(日足)

上段:オプションボラティリティ(赤)
下段:14日ATR(緑)
出所:石原順

 株式市場に強気の運用者は、「利上げサイクルが終了した2006年のパターンが再現されて株は上がるだろう」と言っているが、市場に対する見方がマイオピック(近視眼的)なので、2007年にサブプライム住宅問題が浮上し2008年にリーマン・ショックが起こったことは忘れている。

FFレートと利上げサイクルの終わり

出所:ゼロヘッジ

FF金利の推移 2000年~2019年

出所:セントルイス連銀

NYダウ(月足)2004年から2009年の推移 利上げ棚上げで株は上がるのか?上がったら後が怖い…

出所:石原順

KBホームとNYダウの月足 NYダウは住宅株より遅れて天井をつける

出所:石原順

 米利上げ棚上げと資産売却停止という市場観測から、「この相場は急落前にあと1回上がる」という見通しがある。もちろん、相場のことなので、さらにNYダウが10%くらい上げてもおかしくはない。

 しかし、「きっかけが現れるのを待っていれば、安い値段で売ることになる」と債券王ジェフリー・ガンドラックが述べているように、筆者は相場に最後までしがみつきたくないのである。最後まで付き合っていると、相場から降りられないし、結局、安値で売らされることになる。