逆イールドは市場崩壊の予兆か?

 こうした状況の中、米3年国債と5年国債で長短金利逆転が起こっている。米利回り曲線の一部で長短金利が逆転したのは約10年ぶりだ。

 1980年、1990年、2000年、2007年に逆イールドが起こったことからも言えることだが、10年というのはひと相場の終わりである。2008年から2018年までの米国の景気拡大は1991年から2001年までの10年の拡大と肩を並べているが、逆に10年も景気拡大というのは、“そろそろ”というサインだろう。

 1969年以降のデータでは、逆イールドは平均すると景気後退前の10カ月前(最大のタイムラグは16カ月)に発生し、失業率の反転は景気後退の9カ月前に発生している。

 逆イールドはいつもFRBの利上げ起こる。(1)賃金は上がらずインフレにならず資産価格だけが青天井、(2)中央銀行の爆買いという自作自演、(3)低ボラティリティという3つの特徴を持っていた<全資産バブル>も、そろそろ曲がり角に来ているようだ。そして、株の長期投資にふさわしい期間は、利下げや金融緩和期であって、今ではない。

●米10年国債と2年国債のスプレッドと景気後退期

出所:セントルイス連銀

 

●逆イールドとバブル崩壊

 1970年代初頭のニフティ・フィフティ(素敵な50銘柄)相場、1990年代後半のITバブルの暴落、2008年のリーマンショックなど、すべて政策金利の引き上げが原因だった。

出所:セントルイス連銀