日米2年金利差がドル/円の長期変動を決める最重要ファクター
ドル/円為替の長期的な動きは、ほとんど日米金利差で説明できます。もっともよく動きを説明できるのは、2年金利差です。2年金利差というのは、米国と日本の2年国債利回りの差です。以下でわかる通り、日本の金利は長年ほぼゼロ近辺に固定されていたので、米国金利が、ほぼそのまま日米金利差でした。
<米国・日本の2年金利、および2年金利差の推移:2008年1月~2023年6月(20日)>
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ドル/円為替レートの長期の動きをもっともよく説明できるのは、日米の2年金利差です。
<ドル/円為替レートと、日米2年債利回りの差:2008年1月~2023年3月(13日)>
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2008年以降の動きを見ると、おおむね日米2年金利差と、ドル/円は連動していることがわかります。
大きなトレンドがわかるように、上のグラフに赤矢印と筆者説明を加えたのが以下のチャートです。
<再掲:ドル/円為替レートと、日米2年債利回りの差:2008年1月~2023年6月(20日)>
![](/mwimgs/0/5/-/img_053efd53b3c10e17f2fc34dd36e07f1533510.png)
【1】2008~2012年
日米金利差の縮小にしたがって、円高(ドル安)が進みました。
【2】2013~2014年
日米金利差が少ししか拡大していないのに、大幅な円安(ドル高)が進みました。2年金利の差では説明できないほどの円安でした。日本銀行が異次元緩和を実施する中、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融引き締めに動いていたことが、急な円安を招きました。今と似た環境です。今も、FRBが急激な利上げを進める中、日銀は頑として緩和維持を表明しています。
【3】2015~2018年
日米金利差が拡大する中で、円高が進みました。2013~2014年の行き過ぎた円安に修正が起こったと見ることができます。2016年に、米大統領選キャンペーンで共和党候補だったドナルド・トランプ氏(前大統領)と民主党候補だったヒラリー・クリントン氏が、ともに円安を批判したことも円高材料となりました。
トランプ前大統領が当選した後も、日本の対米黒字を問題視し続けたため、円高圧力が続きました。
【4】2019~2020年
日米金利差が縮小するにしたがって、円高が進みました。
【5】2021~2022年
日米金利差が拡大するにしたがって、急激な円安が進みました。
【6】2023年
2022年末より、円高が進んでいます。米金利上昇が終盤に入っていると見られていること、日本の金利にも上昇圧力が働いていることが、影響しています。
ただし、6月からまた円安が進み、20日には一時1ドル142円台をつけました。FRBがさらなる利上げもあり得ると示唆していること、日銀が大規模緩和を続ける意向を示していることが、ドル高(円安)圧力として働いています。
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