米国のシェールガス・オイルの事情を確認

 以下は、米国国内のシェール層の分布と主要な生産地域を示しています。シェール層とは、天然ガスや原油を含んだ頁岩(けつがん)層のことです。米国で2010年ごろからはじまった「シェール革命」の舞台です。

図:米国のシェール層と生産主要地区

出所:EIA(米エネルギー情報局)の資料・データをもとに筆者作成

 探索や掘削などの技術が急速に向上したことで、シェール層から天然ガスや原油を抽出することが可能になりました。シェール層は、主に米国のロッキー山脈以東に、幅広く分布しています。

 EIA(米エネルギー情報局、米国の政府機関)は、米国全土に七つ、シェールの主要地区があるとしています。中でも生産量が多いのが、米国東部のペンシルベニア州を中心にした「アパラチア地区」と、南部のテキサス州を中心とした「パーミアン地区」です。(これら二つの地区で、シェール主要地区由来の天然ガスと原油、それぞれおよそ60%を生産)。

 オクシ社の開示資料によれば、同社はパーミアン地区でトップクラスの油田を有しています。また、同社は同地区での操業にあたり、生産時に放出される二酸化炭素の回収・貯留に力を入れています。

 オクシ社は、世界中で幅広くビジネスを行う巨大な石油企業(メジャー)ほどの規模はないものの、米国国内のパーミアン地区を中心に、コンパクトにスマートに、ビジネスを行っている印象があります。

 また、同社の海外拠点は、オマーン、UAE(アラブ首長国連邦)、アルジェリアにありますが、メジャーと異なり、拠点数が少なく、かつ政治的な影響を受けにくい国で操業をしていると言えます(メジャーのエクソン、シェブロン、BPは、ウクライナ危機勃発がきっかけで、ロシアからのビジネス撤退を表明した)。

 効率が良い地域で生産をしている、環境配慮を具体的に実践している、大きすぎない、海外の生産地の政治的影響を受けにくい、などはオクシ社の強みと言えるでしょう。