商品関連投信は原資産の配分が異なる点に注意

 早期のウクライナ危機鎮静化が難しく、エネルギーや食糧価格が高止まりする可能性がある中で、具体的に投資をしようとした場合、どのような選択肢があるのでしょうか。しばしば耳にするのが、「とりあえず」コモディティ、という声です。

 以前の「やってはいけない!コモディティ投資の悪手(あくしゅ)」で書いた通り、例えば一口に「コモディティ関連の投資信託」といっても、内情はさまざまです。以下のとおり、連動を目指す原資産の構成比率は同一ではありません。

図:各投資信託が連動を目指す原資産の構成比率 2022年7月1日時点 合計を100として算出

出所:各種資料より筆者作成

 エネルギー(原油だけでなく天然ガスと石炭も)と食糧価格が、長期的に高止まりすると想定すれば、「エネルギーと食糧の比率が均等であること」が望まれるでしょう。また、先ほどの図「主要銘柄の騰落率(2022年1月と7月を比較)」で示したとおり、金属価格の弱さが目立っていることから、「金属の比率が低いこと」も一案に浮上するでしょう。

 ウクライナ危機が長期化することを前提とすれば、こうした二つの観点が生まれ、それに基づき、銘柄選択をしていくわけです。「とりあえずどれか」ではなく、その時の市場環境を考慮し、構成比率に留意して銘柄を選択すると、コモディティへの投資が効率化されていくと感じます。

[参考]コモディティ(全般)関連の具体的な銘柄

投資信託

iシェアーズ コモディティ インデックス・ファンド
ダイワ/「RICI(R)」コモディティ・ファンド
DWSコモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Aコース(為替ヘッジあり)
DWSコモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Bコース(為替ヘッジなし)
eMAXISプラス コモディティ インデックス
SMTAMコモディティ・オープン

ETF

iPathピュア・ベータ・ブロード・コモディティETN(BCM)
インベスコDB コモディティ・インデックス・トラッキング・ファンド(DBC)
iPathブルームバーグ・コモディティ指数トータルリターンETN(DJP)
iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト(GSG)