RCIでみた日経平均

 実際に、日経平均のチャートを過去にさかのぼると、天井圏で大きな陰線が出現した後、株価が調整するといった場面がありました(下の図2)。

■(図2)日経平均(日足)とRCIの動き(2021年9月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2を見ると、大きな陰線が出現した後、25日移動平均線あたりまで株価が調整していたことが分かります。

 また、図2の下段には、株価と日付の相関関係からトレンドの方向性を探るテクニカル指標の「RCI(順位相関指数)」を表示させています。

 RCIは上昇トレンドが強ければ上方向のプラス100%に近付き、下落トレンドであれば、下方向のマイナス100%へ近づいていきます。また、トレンドが続くと、RCIがプラスマイナス100%あたりで張り付きやすいという性質を持っています。

 さらに、RCIでは、100%あたりで張り付いたRCIが方向を超えて、プラス80%~マイナス80%のゾーンに入ったところが売買ポイントになるという見方もあります。

 上の図2でみれば、プラス100%あたりで張り付いていたRCIが下方向に転じ、プラス80%のゾーンに入ったところが売りポイントになるわけです。

 図2のチャートをさかのぼると、RCIの売りポイントと日経平均の下落局面がほぼ一致しており、RCIでみた日経平均は、株価は堅調ながらも「売り待ち」の要素を含んでいる可能性があります。

目先の値動きのメド

 足元の日経平均が25日移動平均線との乖離(かいり)を縮めていくのであれば、25日移動平均線の乖離率をボリンジャーバンド化したものが目先の値動きのメドになりそうです。

■(図3)日経平均25日移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(2021年9月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡのデータを元に筆者作成

 先週末17日(金)時点の日経平均の25日移動平均線乖離率はプラス5.94%で、+1σ(シグマ)を下抜けたところに位置しています。仮に株価が下落していくのであれば、乖離率平均のMAや、▲1σあたりが意識されそうです。