米国株に積立投資すると30年で6.5倍!

 実際、約30年前の1991年初に3万円を米国株式に投資し、その後も毎月末に3万円を継続的に投資してきた場合を検証してみます。S&P500総収益指数に連動するインデックス投信やETF(上場投資信託)をイメージしたものです。

 2021年6月までに366回の定時定額投資を実践してきたとすると、累計投資額(簿価)は1,098万円(=3万円×366回)となっています。この間のドルコスト平均法と複利運用の効果で、投資元本の時価評価額は約7,087万円に膨らんできました(図表4)。

 こつこつと3万円ずつ定時定額投資(積立投資)した結果、投資元本が約6.5倍に増えてきたことがわかります(6月30日時点)。

 投資環境の変化や市場心理の揺れによって、株価や為替が一時的に乱高下したこともありましたが、シンプルな資産形成を長期の時間軸で実践することにより、資産を増やすことが可能だったことを示しています。

<図表4:米国株式の積立投資効果を検証する>

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(1991年初~2021年6月30日)

 月々3万円の積立が可能か否か、投資した資金の時価総額が一時的にせよ減少する可能性を許容できるか否かの「リスク許容度」も意識するべきでしょう。短期的なリスク(リターンのぶれ)に耐えられない投資家に長期的なリターンは期待しにくいからです。