ナスダック100指数は30年で約70倍に成長した

 本稿では、ナスダック100指数が13日に史上最高値を更新した事象に注目します。図表3は、1991年以降におけるナスダック100指数の推移を対数チャートで示したものです。過去30年で約70倍に成長してきた経緯がわかります。年率平均リターンにすると「+16.7%」の成長ペースでした。

 同指数は毎年12月に銘柄の入れ替えが実施されます。新陳代謝とリスク(リターンのブレ)を繰り返しつつ、S&P500指数の成長(30年で約12.5倍)をしのいできた市場実績が知られています。

 リスクを加味した長期パフォーマンスの面で、ナスダック100指数はS&P500指数を凌駕(りょうが)して「史上最強の株価指数」と呼べるかもしれません。

<図表3:ナスダック100指数は30年で約70倍に成長した>

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年4月13日)

 インデックスファンド(指数連動型ファンド)を活用してナスダック100指数の堅調トレンドを享受する投資を実践することが可能です。

 図表4は、楽天証券で売買できるナスダック100指数連型ファンドを一覧したものです。

 米国籍ETF(上場投資信託)の「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」(QQQ)は、米国市場で人気が高く(愛称は「トリプルQ」もしくは「the Q’s」)、運用純資産は約1,649億ドル(約17.9兆円)に達しています。ITバブルの最中だった1999年3月に設定されたQQQの好調・不調は、(当然)ナスダック100指数の好調・不調と連動してきました。

 近年は、米国のオンライン掲示板「レディット」のフォーラム「ウォールストリートベッツ」などのネット・コミュニティーで若年層の個人投資家に評価されています。上位組み入れ銘柄にグーグル(アルファベット)、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなど製品・サービスが身近な企業群の株価に連動していることが特徴だからです。

 とはいえ、S&P500指数連動型のファンドと比較すると「ハイリスク・ハイリターン」的な特性をはらむファンドでもあります。長期目線でナスダック100指数の優位を見込むなら、インデックスファンドを活用して時間分散投資を実践し「貯めながら増やす資産形成」に注目したいと思います。

<図表4:ナスダック100指数連動を目指すファンド>

種別 コード ファンド名 通貨 取引価格 1年前比
米ETF QQQ インベスコQQQトラスト・シリーズ1 ドル 336.51 60.7%
東ETF 1545 NEXT FUNDS NASDAQ-100・連動型 15,280 62.6%
東ETF 2568 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)H無 2,598 ――
投信 04317188 iFreeNEXT NASDAQ100インデックス 18,010 70.0%
投信 0331A211 eMAXIS NASDAQ100インデックス 11,238 ――

*米ETF=米国上場ETF、東ETF=東証上場ETF、投信=追加型投信。*取引価格=基準価額。1年前比=登録率。上記した騰落率には分配金を含めていない。*1年前比騰落率が表示されていないファンドは設定が1年以内であるため。
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年4月14日)

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