世界経済は成長し続ける?日本の存在感は低下傾向

 世界株式が堅調に推移してきた主な要因として、世界経済が成長してきた実績と見通しが挙げられます。

 図表2は、IMF(国際通貨基金)が調査・予測している世界の名目GDP総額(国内総生産/ドル)の過去30年の実績と2025年までの見通しを示したものです。

 金融危機に伴う2009年のリセッション(景気後退)や2020年のパンデミックリセッションで一時的にせよ世界のGDPが落ち込んだ経緯がわかります。ただ、長期の視点でみると総人口と1人当たりGDP(所得)の増加基調を受け世界経済の拡大が続いているトレンドがわかります。

 IMFによると、2020年に約83.8兆ドルに後退した世界の名目GDPは、2023年に100兆ドルを超え(1990年当時と比較して約4.3倍)、2025年は113.5兆ドル(約1京1,800兆円)に達すると予想されています。

 一方、2010年に名目GDPで中国に抜かれた日本の存在感(ウエイト)は低下傾向です。日本の総人口と労働人口は減少に転じており、少子高齢化が経済成長の足かせとなりやすい状況です。生産性の改善や労働人口の回復がみられない限り、日本の潜在成長率は世界のなかで劣後していくリスクが高いと言われています。

<図表2:世界経済は成長を続けるが日本の存在感は低下>

出所:IMFの調査・予測より楽天証券経済研究所作成

 世界経済が成長し続けるなかでの日本の厳しい現実を認識すると、ビジネス(事業活動)だけでなく資産形成でもグローバル化を意識したいと思います。