3:リバランス時の購入資金となる

 そして、基本的な資産配分を自分の中に持っている人は、マーケットが下落しているときにリバランスを実行することもできます。

 リバランスとは基本ポートフォリオと、自分の実際のポートフォリオのズレを修正するプロセスですが、これを[安全性資産:リスク性資産]という2分割で説明すれば、次のような資金移動を行うことです。

仮に基本ポートフォリオ[安全性資産5:リスク性資産5だった場合

(1)市場下落時のポートフォリオが[安全性資産6:リスク性資産4]に変化する
(2)安全性資産の1割相当をリスク性資産に振り替えて[安全性資産5:リスク性資産5]に戻す
(3)市場が回復して[安全性資産4:リスク性資産6]のようになったら資産の1割相当を利益確定し、[安全性資産5:リスク性資産5]に戻す

 これは資産全体でのリスク性資産の保有割合をキープすることで、安値時期には仕込みを、高値時期には部分的な利益確定を行う考え方です。

 資産の100%を投資に回している場合、「市場が下落基調にあるとき、リスク資産を買い増す」という選択肢を取ることができません。しかし、自分なりにリスクを取る意識を持っている場合、今般のような一時的な下落相場でリバランスを行う原資にもなり得るわけです。