株はテクニカル的に下げすぎだが今の環境ではレバレッジを上げてはいけない

 S&P500は200日ボリンジャーバンドのマイナス3シグマを突破した。NYダウに至っては、リーマンショック時と同じマイナス5シグマまで下げた。日経平均も200日ボリンジャーバンドのマイナス4シグマに到達している。

 したがって、短期的には戻りがあってもおかしくない局面だ。ストップロスを置いて筆者も売りや買いで参戦しているが、短期取引で手仕舞っている。あと、窓開けリスクのある週またぎのポジションは持ちたくない。

 マイナス5シグマが底というわけではない。筆者は1998年の為替相場(ロシア危機・ロングタームキャピタルの破綻)でマイナス7シグマという恐怖の体験をしている。

 この時は現物の債券を売り切れずに大きな損を抱え、それを取り返すのに2年間地獄のような日々を過ごしたことがある。こんなボラティリティは誰もコントロールできない。今の相場はギャンブルに近いと言えるだろう。筆者の友人のアルゴリズム取引では、ボラティリティレベルが高すぎるので、「LONG(買い)」でも「SHORT(売り)」でもない「BANK(銀行にカネを置いておけ)」というシグナルが出ている商品が多い。

S&P500(日足)200日ボリンジャーバンド リーマンショック時と同じマイナス5シグマに到達

出所:石原順

NYダウ(日足)200日ボリンジャーバンド リーマンショックのマイナス5シグマを超えてマイナス7シグマまで下落

出所:石原順

日経平均(日足) 200日ボリンジャーバンド リーマンショック時と同じマイナス5シグマレベルに到達

出所:石原順

 現在の高いボラティリティレベル環境ではレバレッジを上げないこと。即刻、市場から退場になる可能性がある。ジェットコースター相場に参戦するなら、資産管理を徹底されたい。