“Whatever it takes(やれることは何でもやる)”が十分でなくなるとき
今後、株式市場はどう動いていくのか。以前から述べているように、現在の米国株の動きと1929年の動きが似ているとするならば、歴史を振り返ればシンプルだ。1929年当時、大幅調整の後、いったん反発する局面もあった。しかし、元の高値の水準には到底及ばず、結局、下値を切り下げながら、大幅に下落することになったのである。
1929年と2020年のNYダウのアナログモデル 次に何が起こる?そろそろリバウンドがあるのか?
NY証券取引所の米国株は1970年代からの深刻なトレンドラインをテスト中…
S&P500はリーマンショック後の上昇トレンドラインを割り込んだ
米大統領選挙を11月に控え、再選を目指しているトランプ米大統領にとっては株価の上昇が彼の成果であった。株式市場の急落は再選への痛手となる。
「Whatever it takes(やれることは何でもやる)」は去年10月にECB(欧州中央銀行)総裁を退任したドラギ氏の言葉である。緊急利下げによって政策金利をゼロまで引き下げ、無制限QE4を再開、加えて2兆ドル規模の大胆な財政支出を行なう当局に、あとどれだけやれることが残されているのだろうか。「Whatever it takes(やれることは何でもやる)」が十分ではなくなる時はそう遠くないのかもしれない。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、全世界の感染者数は40万人を超えた。3日間で10万人増えるなど、パンデミックリスクが拡大している。「中央銀行がなんとかしてくれる」というのがウォール街の合言葉だが、そのウォール街からも人がいなくなった。
米国ジョンズ・ホプキンス大学の新型コロナウイルス感染者数