2020年の高値予想、銀は25ドル

 次は銀です。2019年12月16日時点で、1トロイオンスあたり17ドルあたりで推移しています。現時点で、2020年は14ドルから25ドルの範囲で推移すると考えています。

図:銀価格の2020年の想定レンジ (中心限月、日足、終値) 単位:ドル/トロイオンス

出所:CME(シカゴ・カーマンタイル取引所)のデータをもとに筆者作成

 金(ゴールド)に追随しながら、しばしば変動幅が大きくなるケースがある銀ですが、2020年は2013年から継続している14~25ドルのレンジの中で推移すると考えています。

 2020年に市場が最も強い関心を寄せるのは、米大統領選挙と考えられます。投票日が11月であるため、市場はほぼ通年で大統領選挙に関心を寄せ続けることになります。このため、銀特有の供給減少や消費拡大が起きたとしても、それらの材料の市場への影響力は例年に比べて小さくなる可能性があります。

 また、大統領選挙がきっかけとなり、銀の消費や供給に急変が見られる可能性も低いと考えられることから、銀価格は過去およそ7年間の値動きを踏襲する(レンジ相場となる)可能性があると、筆者は考えています。