トランプ米大統領がドル安を明確に試行している中、いつトランプ円高が襲ってきてもおかしくはない状況だが、現在、米国では過去最速のペースで社債が発行されており、そのドル需要がドルを押し上げているようだ。

米投資適格社債の発行が過去最速のペース-今週は既に740億ドル
(ブルームバーグ 2019年9月6日 )

 投資適格級の米社債発行額が今週、740億ドル(約7兆9,200億円)に達した。週間ベースとしては統計を取り始めた1972年以降で最高。5日だけで200億ドルに上り、今週の発行額は予想の400億ドルを既に大きく上回っている。

 米国債相場の上昇で高格付け債の利回りは2.77%と、3年ぶりの低水準にある。企業は世界市場の流れを追い風に、低金利での借り換えを進めている。

 5日には食品・飲料大手モンデリーズ・インターナショナル・ホールディングス・ネザーランドや電子計測機器メーカーのアジレント・テクノロジーズなどが起債。JPモルガン・チェースやスタンダードチャータードといった金融機関も発行に動いた。

 供給が高水準にもかかわらず流通市場は堅調で、発行体は負担を増やさずに当初の目標額を上回る規模を調達できている。40億~50億ドルの発行を予定していたアップルは4日、総額70億ドルを起債した。

 日本円の過去20年のシーズナリーサイクルのチャートを見ると、9月は乱高下相場で、10月は月初の円安の後に大きく円高に振れている。筆者は大局を円高とみているが、この先は相場に振り回されないようにしたい。

日本円のシーズナリーチャート(過去20年間)
上昇=円高・下落=円安