ドル/円相場の価格変動の予測モデル

 直近のドル/円相場は、筆者の順張り手法である標準偏差ボラティリティトレードモデルで見ると、5月20日に売りトレンド相場が終わった。ただし、ドル/円は『売りトレンド』が消滅しただけで、『買いトレンド』が発生しているわけではない。しかも、相場は1カ月の市場参加者のコストである21日移動平均線に上値を抑えられている。したがって、標準偏差とADX(平均方向性指数)がピークアウトしていく過程では、基本的に相場は上げ下げが交錯する方向感のない往来相場となりやすい。

ドル/円(日足)順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:ADX(14)=黄・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:赤の期間=買いトレンド・黄の期間=売りトレンド
出所:楽天FX・石原順インディケーター

 相場には方向性を持っている「トレンド相場」と無秩序に動いている「調整相場(ランダム相場)」がある。現在の相場が「トレンド相場」なのか、あるいは「ランダム相場」なのかを見定めるのに筆者が使っているのが「標準偏差(Standard Deviation)」である。さらにその「標準偏差(Standard Deviation)」の弱点(ジリ高・ジリ安相場では反応が鈍い)を補完するために、併せて確認しているのがW・ワイルダーのオリジナルADX(修正平均ADX)である。

ドル/円(日足)順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:修正平均ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ(緑)
出所:石原順