どの時間軸のチャートで、どの銘柄をトレードするのかによって違いはあるが、年間の相場の6~7割が「ランダム相場」で、大きなトレンドが発生することはそれほど多くはない。しかし、トレンドが出ると大きな値幅が取れるため、トレードで収益を上げようと思えば、このトレンドに乗っていることがとても重要となる。
以下に、標準偏差ボラティリティを使ってどのようにトレードするのかの手順を説明する。
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チャートを作成する
チャートにパラメータ21のボリンジャーバンドを表示させる
(株は±0.6シグマ、通貨は±1シグマ)
チャートにパラメータ26の標準偏差とパラメータ14のADXを表示させる -
トレンド発生ポイントの確認
トレンドの発生(もちあい離れの判定方法)
標準偏差とADXが一緒に上昇し始めたとき -
新たにエントリーするときのポイント
トレンドの発生を確認した後、エントリー(新規注文)は相場がボリンジャーバン±1シグマ(株は±0.6シグマ)の外に飛び出したとき -
損失を限定しつつ利益を伸ばす手仕舞いのポイント
手仕舞い(エグジット)は相場がボリンジャーバンド±1シグマ(株は±0.6シグマ)の内側に入ったとき
日経平均株価(日足)順張りの標準偏差ボラティリティトレードモデル
ADX(14)と標準偏差ボラティリティ(26)を使ったトレード手法では、ADXと標準偏差ボラティリティが同時に上昇している期間をトレンド相場と認識する。上昇し始めたということは相場に「勢い」が出てきたことを示唆している。特にADX(14)と標準偏差ボラティリティ(26)の2つの指標が一緒に上昇するときは、相場に「強い勢い」があるという認識になる。
ADX(14)と標準偏差ボラティリティ(26)のどちらか一方だけが上昇する局面もあるが、その場合の相場の「勢い」は限定的となる可能性が高い。
この2つの指標はマーケットのボラティリティが高まっていることを示す指標であり、上昇相場でも下落相場でもトレンド相場の局面は2つの指標が上昇する。
ボラティリティこそ収益の源泉
筆者は過去30年超の相場人生のほとんどを、「価格変動(ボラティリティ)の予測モデル」を作り、それを改良することに費やしてきた。相場を事業と考え、これから相場を真剣に勉強したい人(相場の本質を理解したい人)は、「標準偏差ボラティリティ」の研究に取り組むと良いと思われる。標準偏差ボラティリティの計算は、相場の終値のデータがあれば、表計算ソフト「エクセル」のSTDEVPという関数で簡単に計算できる。
相場のもちあい期とトレンド期の区別をするには、「標準偏差ボラティリティ」が最強の相場兵器だろう。もちあい期とトレンド期が区別できなければ、順張りも逆張りも収益が上がる確率は低くなる。