米国の利下げ観測で円独歩安ポジションが巻き戻される

 金利の市場は現在、年末までにFRB(米連邦準備制度理事会)が2~3回の利下げを実施し、2025年にはさらに4回の利下げを実施すると見込んでいる。

 この見方が正しいかどうかは別として、投資家は利下げに向けたポートフォリオの組み換えを迫られているようだ。市場関係者からとりわけ注目されているウォラーFRB理事は、「金利を引き下げる時期が近づいている」と発言した。

FF金利先物によるFF金利予測(2024年7月~2026年7月)

出所:クリエーティブプランニング

 米国の利下げ観測を受けて為替のマーケットはドル安に振れている。独歩安が続いていた円相場もその流れに巻き込まれることになった。

ドル/円(日足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

ユーロ/ドル(日足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

ユーロ/円(日足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

ポンド/ドル(日足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

ポンド/円(日足)

(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

 ドル/円が下がっているのはトランプの円安けん制もあるが、先週のCPI(消費者物価指数)が予想を下回ったことで米国の長期金利が低下していることが最大の原因であろう。米国の金利が上がらない限りは、顕著な円安の動きはいったん終わる可能性もある。

ドル/円(赤)と米国長期金利(黒)の推移

出所:トレーディングビュー