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著者の香川 陸が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
10年後のS&P500を予想!目先は「夏枯れ相場」のリスクも

ナスダックの高値更新が寄与しS&P500の強気相場続く

 米国市場ではS&P500種指数が年初来で37回目となる最高値更新となりました(10日)。6月・雇用統計などマクロ指標が労働市場とインフレ(物価上昇率)の減速を印象付け、債券市場では政策金利の行方に敏感とされる2年債金利が4.6%台に低下。

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が9日と10日の議会証言で、高金利が労働市場に及ぼすリスクに言及しハト派寄りだったこともあり、金利先物市場(Fed Watch)は「9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ予想確率」を約76%、「12月FOMCでの一段の利下げ予想確率」を約98%と見込んでいます(10日)。

 金利低下見通しを受け、S&P500とナスダック総合指数はともに7営業日連続で上昇しました。

 図表1は、S&P500の主力構成銘柄を時価総額の降順に示し、「年初来騰落率」と「7月来騰落率」を一覧したものです。

 6月18日に最高値を付けたエヌビディアが足場固めに転じた一方、AI(人工知能)を活用した収益化に取り組むGAFAM(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ)はそれぞれ7月に最高値を更新しました。

 また、今年になり株価が出遅れていたテスラは「8月8日に公表されるロボタクシー(自動運転車)事業」への期待が先行し、7月は急反発しています。

 ただ、例年の季節性(長期市場実績)に加え、大統領選挙を巡る不透明感が高まっている状況もあり、8月以降に株式市場が「夏枯れ相場」に転じる可能性はあり注意が必要です。

<図表1>S&P500の高値更新はビッグテック株がけん引している

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2024年7月10日)