日経平均株価が3月の高値を更新!
7月5日、日経平均株価が4万1,100円13銭まで上昇し、3月22日につけた4万1,087円75銭をわずかながら上回り、史上最高値を更新しました。
3月の高値を付けた後は1カ月ほど下落、そこから2カ月弱は横ばいの動きでしたが、6月下旬から一気に上昇に転じました。感覚としては「結構あっさり高値を更新したな」という思いです。
実は日経平均株価が高値更新するより先に、TOPIX(東証株価指数)の方が高値更新となっていました。TOPIXは3月につけた高値2,820.45は、バブル時高値にわずかに及ばない水準でしたが、7月5日時点の2,906.80はバブル時高値を更新しています。
TOPIXの上昇に日経平均株価が引っ張られた展開か
これまでよく見られたパターンとして、日経平均株価採用銘柄、とくに寄与度の高い銘柄が大きく上昇することで日経平均株価が上昇し、TOPIXがそれに引っ張られて上昇する、というものがありました。
しかし今回はその逆で、TOPIX採用銘柄で寄与度の高い銘柄(メガバンクなど)が強かったことでTOPIXの方が先に3月高値を更新、それに引っ張られて少し遅れて日経平均株価も高値を更新した、という形です。
実は個人投資家目線で考えれば、日経平均株価が強いときより、TOPIXが強いときのほうが利益を得やすい傾向があります。
日経平均株価が強いときというのは、株価が高く個人投資家にはなかなか手が出せないような銘柄群が株価上昇を引っ張ることが多いため、日経平均株価が上昇しても自分の持ち株が上がらないということがよくあります。
一方、TOPIXが強いときは、個人投資家が多く保有している銘柄(今回でいえばメガバンクなど銀行株)が大きく上昇することが多く、株価上昇の恩恵を個人投資家がストレートに受けやすくなるのです。
年初来高値更新銘柄数は3月時より減少
日経平均株価が高値更新となれば、個別銘柄の多くも高値更新となっていると思ってしまいがちですが、実際はそのようになってはいません。
3月の高値更新時には東証プライム市場の昨年来高値更新銘柄数は300ほどありましたが、今回の高値更新時は、年初来高値更新銘柄数は100銘柄ほどに減少しています。
高値更新銘柄数は、1月から3月は、前年1月から当日までの高値更新銘柄数、4月から12月は当年1月から当日までの高値更新銘柄数が集計されます。
従って、3月までよりも4月以降の方が、高値更新銘柄の数が多くなりやすいという特徴があります。しかし、今回の日経平均株価高値更新時の年初来高値更新銘柄数はだいぶ減少しています。
つまり、今回の高値更新は、全面高というよりは、強い銘柄がマーケット全体をけん引して日経平均株価やTOPIXといった株価指数の上昇につながった、といえそうです。
全面高とはいえない現状では「流れにつく」のが賢明
もし全面高の展開であれば、乱暴な言い方をすれば個別銘柄をとりあえず何でもよいので持っていれば株価上昇の恩恵を受けられます。
しかし全面高ではなく、一部の銘柄が強いという状況下では、その強い銘柄に乗る、というのが基本戦略になります。
もし高値更新が続く銘柄を保有しているのであれば、株価上昇が続く限り保有継続することで利益を伸ばすことができます。
また、そうした強い銘柄を保有していない場合は押し目を狙って買うのがよいでしょう。その際、株価がそもそもあまり上昇していない出遅れ銘柄や、株価がずっと下がり続けている弱い銘柄に手を出すのは得策ではありません。
足元のようないわゆる二極化相場では強い銘柄が株価上昇をけん引しているわけですから、そうした銘柄にしっかり乗ることが必要です。
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