2024年4-6月期に9%増収を予想、持続的かつ高質の成長戦略を実行

現地コード 銘柄名
00700

騰訊控股

(テンセント)

株価 情報種類

384.80HKD
(7/12現在)

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 中国の有力ネット企業、テンセントは、8月14日に2024年4-6月期決算を発表する予定だが、BOCIは同期の売上高について前年同期比約9%増を予想。市場コンセンサス予想通りの水準に達するとみている。部門別では、VAS(付加価値サービス)が5%増収、オンライン広告が24%増収、フィンテックおよび企業向けサービスが7%増収を確保するとの見方。売上構成比の変化を受け、粗利益率は53.3%に上向き、市場予想を上回ると予想している。また、全事業部門での着実な戦略の実行や各種のアプリケーションシナリオにおける革新的な収益化が、同社の持続的かつ質の高い成長につながるとして、現状を前向きに評価。目標株価を維持し、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 BOCIは全ての事業部門において、高質の収益源を確保するための同社の努力が結実しつつあると指摘している。まずゲーム事業では、旗艦タイトルの底堅さに加え、ジャンルや端末、地域を幅広くカバーする新作の相次ぐ投入が課金収入の伸びを支えている。ほかに効果的なチャネル管理やROI(投資収益率)重視のコスト管理も収益性の押し上げ要因。また、オンライン広告部門では、各種の統合インフラとAIを活用したアプリケーションシナリオの収益化が、高質かつ持続的な成長を後押ししている。フィンテック・企業向けサービス部門においては、ユーザーの消費行動の変化と動画アカウント上でのEC業務による高利益率の収益貢献がけん引役。BOCIはこうした点を踏まえ、フィンテックの予想収入を下方修正する半面、海外ゲーム収入とオンライン広告収入に関する想定値を増額修正し、2024-26年の同社全体の予想売上高を据え置いた。さらに、広告収入とフィンテック・企業向けサービスの寄与を理由に、粗利益率を上方修正。2024-26年の調整後営業利益に関する予測を据え置いている。

 2024年4-6月期の売上高については、前年同期比9%増の1,626億元を予想。部門別ではVASが5%増収で、うちSNS業務が2%増収、オンラインゲームが8%増収を確保するとみる。ミニゲームや音楽配信、動画配信が引き続き、ストリーミング配信業務の縮小をカバーする見通しという。国内ゲーム業務に関しては旗艦タイトルの堅調と新作の投入、「DNFM」(アラド戦記モバイル)の寄与を理由に6%の増収を見込む。また、オンライン広告については動画アカウントやミニプログラムを含む多種の広告商品の寄与で、売上高が24%増の310億元に達する見通しを示している。

 BOCIはゲーム、広告、フィンテック・企業サービスの各部門に、2024年予想PER(株価収益率)でそれぞれ15倍、16倍、15倍を適用。クラウドにはPSR(株価売上高倍率)5倍をあてはめ、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を維持した。レーティング面の潜在的リスク要因としては、国内の規制強化や各事業の市場競争激化、マクロ経済の下振れ、投資の失敗、主要株主による持ち株売却の加速などの可能性を挙げた。