金融政策のホテルカリフォルニア化で永続的に上昇する株式市場と住宅市場!?

 先週、「『市場の急落を阻止するチーム』が動いているからもう危機は起こらない」は本当!? というレポートを書いたが、FRB(米連邦準備制度理事会)の「株価の維持」というシングル・マンデート(単一の、委任された責務・権限)姿勢を受けて、「相場はこのまま10年間上がり続け、二度と危機は起きない」というブラックジョークも飛び出してきた。

 以下はゼロヘッジの記事「The Fed Guarantees No Recession For 10 Years, Permanent Uptrend For Stocks & Housing(連銀が今後10年リセッションは起こらないと保証、永続的に上昇する株式市場と住宅市場)」に掲載されたチャートである。

 中央銀行を揶揄するかのように「これから10年、株式市場はリセッションも下落もないと連銀が保証、S&Pは5,600まで上昇する」と書かれている。

今後10年のS&P500予測 

 住宅価格については「Fedは住宅市場が次の10年上昇するのみだと保証した、どんなあばら家でも100万ドル以上の価値が出るだろう、サンフランシスコに至っては500万ドル以上になるだろう」と…。

今後10年のS&Pケースシラー住宅価格指数予測

 この記事は以下の一文で締めくくられている。

This is an April Fool's Day whimsy. But how far it is from what the Fed elites actually believe is unknown.”
「この記事はちょっとしたエイプリールフールの気まぐれである。しかし、連銀のエリートたちが本当に信じていることからどれほどかけ離れているかは知る由もない。」

「金融政策は『ホテルカリフォルニア化』するリスクがあった。いつでもチェックアウトできるが決してホテルを去ることはできないという、イーグルスのヒット曲だ」という発言をしたのは、フィッシャー元ダラス連銀総裁だが、FRBの2019年の金融政策の転換は、金融政策が完全にホテルカリフォルニア化している証左であろう。