ナスダック100指数への「定時定額投資」を実践するには

「史上最強の株価指数」とも呼べそうなナスダック100指数の市場実績を検証し、リスク(リターンのぶれ)に応じたリターンの高さに注目したいと思います。

 1988年末を起点にしたナスダック100指数(円換算)のパフォーマンスを振り返ると、本年3月末時点で約37.9倍(配当を除く)となってきました。同期間中の年率リターンを計算すると約16%だったことがわかります。そこで、「定時定額(積立)投資」の特徴や期待効果の面からナスダック100指数への長期投資を考えてみます。

 定時定額投資は、投資期間中のボラティリティが高くても(乱高下しても)、結果的に長期リターンが高いほど「ドルコスト平均法」の効果が得られやすいとされます。

 投資期間中に株価が急落すれば「安い単価(株価)で多くの口数に投資する」ことが可能となり、結果的に株価が成長期待を反映して上昇すれば、「貯めながら増やしてきた投資口数の増加」が資産形成の果実(投資口数×株価)」を増価させます。図表4で市場実績にもとづく具体例を示しました。

 1988年末を起点にナスダック100指数(円換算)に「四半期末ごとに10万円ずつ投資してきた」と想定すると、累計投資元本(簿価)が1,260万円(10万円×126回)だったのに対し、時価ベースの総資産は約1億727万円に膨らんできました(2020年3月末時点)。乱高下しながらも成長期待が高かったナスダック100指数だからこそのリターンと言えるでしょう。

<図表4>ナスダック100指数(円)の定時定額投資の成果を検証してみる

出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(1988年末-2020年3月末)

 ナスダック100指数を構成する銘柄とそれぞれの時価総額比率(ウエイト)は時代とともに変わってきました。同指数の構成銘柄は、ナスダックが毎年12月に必要に応じ入れ替えてきました。

 したがって、同指数の構成銘柄は米国の経済や市場の成長を主導するイノベーション(技術革新)のリーダーでした。こうしたイノベーション分野では、米国企業が主導権を握るとみられ、今後はIT・ハイテク分野に加え、バイオテクノロジー分野の成長(時価総額の増加)も反映していくと考えられます。

 上記した例に倣い、四半期ごとに10万円程度を(定時定額)でナスダック100指数に連動するETF(上場投信)に投資していく方法があります。東証上場ETF(円建て)では「NEXT FUNDS NASDAQ100連動型上場投信」(東証コード:1545/運用は野村アセットマネジメント)、米国上場ETF(米国籍ETF/ドル建て)では「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」(ティッカー:QQQ/運用は米国インベスコ)があります。

 また、国内の公募型投資信託としては 「 iFreeNEXT NASDAQ100インデックス 」(運用は大和アセットマネジメント)もあります。定時定額(積立)投資を長期で実践するにあたっては、グローバルな視野を重視した資産形成を意識していきたいと思います。


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