原油の下落でジャンク債バブルが崩壊の危機!?
昨日18日の相場ではイタリアがパニック状態になっていた。イタリア債は一時急落し、10年債利回りが3%付近に上昇したのである。イタリア銀行(中央銀行)の市場介入で事態いったん収まっている。「18日の債券市場では、欧州を中心に世界の国債が下落した。英国やフランス、イタリアなど各国が新型コロナウイルス対策の財政支出計画を発表したことを受け、市場は供給急増に身構えている」(ブルームバーグ)という。
現在、債務の膨張予想が債券安(悪い金利上昇)と株の下落を招いている。流動性のある国債でさえ流動性が枯渇しているが、深刻なのは流動性のないジャンク債である。プーチン大統領が原油増産で仕掛けた米国のシェールオイル潰しはいまのところ思惑通り進んでいるようだ。
NY原油(日足)
以下は、「今朝、エネルギー債がクラッシュした」(3月9日ゼロヘッジ)という記事の抜粋である。
今朝、エネルギー債がクラッシュした
石油価格がほぼ3分の1に下落する中で計算は簡単だ:ジャンクボンド(中には投資適格もあり)で資金を得たシェール生産者はWTIが50ドルのときにはすでにキャッシュフローがマイナスになっていたが、まさに現金焼却機になろうとしている。そしてここ数か月には間違いなくデフォルトするだろう-おそらく、早ければ次の利払いの時に。そして債券の次の満期償還の時には確実にジャンク債市場は凍り付いていてロールオーバーできないであろう-もちろんその時までに原油の価格が奇跡的に回復すれば別の話だが。
したがって、市場はシェール連動債が今週末の原油価格のショックにどのように反応するかに焦点を当てていた。この問題に対処するために、ゴールドマンは月曜日の早い段階で電子メールを送り、銀行はエネルギー債務を見ている人のために次の点を指摘した:
1 サウジアラビアの発表前に信用市場はすでに問題を抱えていたが、株式市場が上がると信用市場は低下した。
2 セクターの空売りを検討している非信用口座の大幅な増加
3 IG、高利回り、ローンすべてで記録的な流出だった
4 ウイルス関連のリスク対応またはBCP計画のために流動性問題がさらに蔓延した
同行は次のように言った。「顧客は(シェール革命に資金を供給するために多くのエネルギー債の発行があった)2015年よりも良い位置にいるが、原油価格が下がり、ウイルスが蔓延するにしたがって継続して売られる。」
しかし、レンジ・リソーシズ、SMエナジー、サウスウェスタン・エナジー、ホワイティング・ペトロリアム、オキシなどの問題を受けて今朝からいくつかのエネルギー株の売却が始まっているようだ。
しかし、ストレスを受けたエネルギー債の急激な価格引き下げにもかかわらず、エネルギークレジットは原油市場を大きく上回り、最終的にそれはHYエナジーOASスプレッドに追いついたということは再び注目することができる。
一日が終わる前に、より多くのE&P債券が次から次へと清算されることになるかもしれない。