裁定買い残高が約1.4兆円

 長期的に日本株に強気の見通しは変わりませんが、日経平均の上昇ピッチがやや速いことから、短期的には反落することも考えられます。詳しい説明は割愛しますが、裁定買い残高が約1.4兆円と、1.5兆円に近づいていることに注意が必要です。近年は、裁定買い残高が1.5兆円に近づくと、日経平均が短期的に反落することが多かったからです。

 ただし、裁定買い残高がいくらになったら、反落しやすいという法則はありません。近年たまたま1.5兆円から反落することが多かったというだけです。過去には3.5兆円まで増加してから反落していたこともあります。

日経平均と裁定買い残高:2021年7月1日~2024年1月26日(裁定買い残高は2024年1月19日まで)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 日本株の投資判断は変わりません。日本株は割安で、長期的に上昇余地が大きいと判断しています。ただし、一本調子の上昇は見込めません。短期的には、円高などで下落する局面もあると思います。時間分散しながら割安な日本株を買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

▼著者おすすめのバックナンバー

2024年1月22日:日経平均一時3万6,000円、S&P500は史上最高値。何が起こっている?(窪田真之)
2024年1月15日:新NISAでイオン!2月優待人気トップ、総合小売業の勝ち組として成長期待(窪田真之)
2024年1月4日:日経平均4万円到達の予想:早くて2年、遅くても4年と読む理由(窪田真之)