10-12月の米GDPは市場予想より強かった

 1月26日に米商務省が発表した、米国の10-12月期GDP(国内総生産)は、実質2.9%増(前期比)と市場予想を上回る成長でした。その前の7-9月期は3.2%成長に上方修正されました。これで2022年後半は、2四半期続けて3%前後の成長を達成したことになります。

 2022年前半(1-3月期、4-6月期)に2四半期連続でマイナス成長となり、リセッションのリスクが高まったと思われていましたが、後半に盛り返したことがわかりました。

米国GDP成長率、四半期ごとの推移:2000年1-3月~2022年10-12月

出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成

 米GDPが予想以上に高かったことにより、米景気が急速に冷え込んでリセッション入りするとの見方は少なくなりました。それは米国株にプラスです。

 ただし、GDPが強かったことは、FRBが引き締めを緩めるという期待を低下させることにもなります。米景気は強すぎても、弱すぎても、株に悪影響を及ぼします。米景気がほどほどに堅調で、ちょうどいい湯加減かどうかが試されています。

 こうした環境下で、今週のビッグイベント、2月1日のFOMC結果発表を迎えます。結果次第で、ソフトランディング期待が続くか否か、注目されます。

日本株の投資判断

 日本株の投資判断は変わりません。日本株は割安で長期的に良い買い場を迎えていると考えています。

 ただし、短期的には世界的な株安ショックが終わっていない可能性もあります。時間分散しながら割安な日本株を少しずつ買い増ししていくことが長期的な資産形成に寄与すると考えています。

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