「クオリティ×高配当」で3,000%超の総収益実績に注目

 クオリティ高配当指数、配当貴族指数、高配当株指数、S&P500種指数の1994年末以降のトータルリターンを図表3で比較してみました。過去約30年におけるクオリティ高配当指数のトータルリターンは+3,182%に及んでおり、S&P500指数の+1,387%を大きく上回ってきたことがわかります(25日時点)。

 相場の下落局面での下値抵抗力、相場反発局面での相対的堅調、高配当利回りによる再投資効果が総合的に力を発揮してきたことを示しています。

 このように、米国の市場平均(S&P500)よりも長期パフォーマンスが良好であった株価指数の存在にあらためて注目し、投資対象としての意義を考えたいと思います。

<図表3>約30年で3,000%超のトータルリターンに注目

*上記は過去の市場実績を示したものであり、将来の投資成果を保証するものではありません。
(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(1994年末~2023年1月25日) 

 今後も米国市場では不透明な相場環境が続く可能性もあり、投資を続けるべきか、投資するタイミングはいつか、など多くのことに悩まされる局面があると思います。ただ、資産形成においては、短期的なブレに一喜一憂せず「長期目線」(長期投資)を維持することが大切であると考えています。

 そして、新たな投資先を検討する際も、クオリティ高配当指数のように長期的に高いパフォーマンスを積み上げてきた株価指数に連動を目指す投資商品に注目したいと考えます。

 そこで本稿では、1月12日に設定された追加型投資信託である「eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス」をご紹介したいと思います。

 同インデックスファンドはクオリティ高配当指数を構成する77銘柄に分散投資をしており、運用経費率(信託報酬率)は0.3%と抑制的となっています(設定・運用は三菱UFJ国際投信)。S&P500種指数連動型ファンドから資産形成の幅を広げたいのであれば、こうした新たなインデックスファンドへの投資を検討したいと思います。

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