「年末まで」三つの「緩」が相場を押し上げか

 では、年末まで、コモディティ(商品)価格はどのような値動きになると、考えられるのでしょうか。6月・7月の「急」が支配的だった環境が、8月から年末までは「緩」が主軸となり、ほどよい上昇が見られると考えます。

図:8月から年末にかけてのコモディティ(商品)市場を取り巻く環境(筆者イメージ)

出所:筆者作成

 先述の「最悪よりはまし」の利上げが続き、最悪の利上げが回避されることへの安心感から株価は反発、株価反発が需要増加期待を醸成、これらが一体となり上昇圧力が形成される、という流れです。

 ECB(欧州中央銀行)が、利上げ姿勢を強く打ち出しているため、ドルが(対ユーロで)弱含みやすい地合いになり、ドル建てのコモディティ価格に割安感が生まれたり、米国の中間選挙(今年11月)に向けた選挙戦において政策への美点凝視が進めば、リスクオンのムードが強まったりする可能性もあります。

 一体となった上昇圧力は、底流するウクライナ危機起因の上昇圧力とあいまって、コモディティ市場の底上げの原動力になると、考えます。(上図のような「循環」が起きる)

 インフレが進行したり、短期的な価格下落であるCPIショックが再発したりする可能性はあるものの、「利上げ」が「最悪よりはまし」の状態が続くことで、(2)・(3)の、後続の事象が発生する(循環が起きる)可能性があります。