「6~7月」三つの「急」が相場を押し下げ

 以下の図は、コモディティ(商品)価格の上昇圧力が低下した期間のうち、特に6月と7月(FOMC前)の各種市場の状況を、説明しています。(1)から(3)の三つの「急激な」事象が目立っていました。

図:2022年6月・7月のコモディティ(商品)市場を取り巻く環境

出所:筆者作成

 7月のFOMC後に反発するまでは、利上げ、株価下落、需要減退懸念の三つの「急」が支配的となり、コモディティ市場に強い下落圧力がかかっていました。この点が、コモディティ指数の上昇圧力低下に拍車をかけたと、考えられます。

 利上げはドル建てのコモディティ価格に割高感をもたらす「ドル高」、株価下落はリスク商品から資金引き上げをうながす「リスクオフ」、需要減退懸念が加わり、これらが一体となって、コモディティ市場に対する強い下落圧力を形成したと考えられます。

 ウクライナ危機による供給懸念起因の上昇圧力は存在するものの、一体となった強い下落圧力がそれを相殺したのが、6月と7月(FOMC前)の全体像だったと言えるでしょう。