1月のリターン・リバーサル:過去の事例
私は、ファンドマネージャー時代に、1月に物色動向ががらりと変わるケースをたくさん見てきました。
日経平均の動きに大きなリバーサルが起こらない場合も、物色動向がガラリと変わっていることがあります。グロース(成長株)一色の物色動向が、バリュー(割安株)主体の物色に変わったり、その逆が起こったりすることもよくありました。代表的なものだけ紹介すると、以下のようなものです。
1月のリターン・リバーサル:過去の事例
◆1987年12月→1988年1月
1987年10月にブラックマンデーがあって世界的に株が急落。12月まで下げ相場が続いたが、1988年1月から急反発。
◆1989年12月→1990年1月
1989年12月末に日経平均は史上最高値(3万8,915円)をつけ強気一色だったが、1990年1月から急落。
◆1999年12月→2000年1月
1999年12月までITバブル相場でIT関連株が急騰したが、2000年1月からIT関連株が急落。
◆2005年12月→2006年1月
12月までミニITバブル相場で小型成長株が急騰したが、1月からライブドアショックで小型成長株が急落。
◆2008年12月―2009年1月
10月にリーマンショックが起こり12月まで景気敏感株が急落したが、1月から景気敏感株が急反発。
上記は、1月に極端なリターン・リバーサルが起こったケースです。小さなリターン・リバーサルはもっとたくさん起こっています。たとえば、2017年12月まで景気敏感株が大きく上昇していましたが、2018年1月から急落しました。2018年12月まで景気敏感株が急落していましたが、2019年1月から急反発しています。
さて、2022年はどうなるでしょうか?1月4日からの相場をじっくり見たいと思います。
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