気になる1月のアノマリー

 ここで気になるのが、1月のアノマリー【注】です。

【注】アノマリー
 経験的に観測される株式市場の「規則性」。理由がはっきりしないものの繰り返し起こるパターン。

 1月は、リターン・リバーサル(上がったものが下がり、下がったものが上がること)が起こりやすい月として有名です。10~12月までの流れが1月にガラリと変わることがあります。私がファンドマネージャーをやっていた25年間にも、ストラテジストになってからの8年間にも、ひんぱんに観測されています。

 10~12月の日経平均が急落した後、1月から急反発するケースと、10~12月の日経平均が急騰した後、1月から急落するケースがあります。まず、2001年以降のデータをご覧ください。

10~12月の日経平均騰落率と、翌年1月の騰落率比較:2001年-2020年まで

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 上記を見ると、10~12月に強かった日経平均が翌年1月に反落するパターンが多かったことが分かります。2001年から2020年までの平均で見ると、10~12月に5.1%上昇した日経平均が、翌年1月に1.4%反落しています。

 もちろん、逆のパターンの年もあります。2018年を見ると、10~12月に17%下がった日経平均が2019年1月に3.8%上昇しています。

 ところで、1月のアノマリーは、日経平均だけでなくNYダウ(ダウ工業株30種平均)にもあります。米国株は10~12月に上昇した後、1月に下げるパターンがたくさん観測されています。日本株は、米国株の影響を強く受けるので、米国株の動きにしたがって、10~12月に上がって1月に下がるパターンが多くなっているともいえます。