米国株の季節性:1月は弱い

 米国株の動きには、顕著な季節性が見られます。1~2月が弱く、3~5月が強く、6~8月が弱く、9~12月が強いというパターンです。良く知られた格言に、「Sell in May and go away and take vacation, but remember to come back in September(5月に売って立ち去り、夏休みをとれ。でも、9月に戻ってくることを忘れるな)があります。これは、米国株に顕著に見られる季節性から生まれた格言です。

 もちろん、毎年必ずそうなるというわけではありません。何か大きなイベント(リーマンショックなど)があると、それと異なる動きとなります。特に大きなイベントがなければ、季節性からそういう動きになることが多い、というだけです。

 米国株の季節性は、米国経済の季節性によって引き起こされていると考えています。米国経済は、クリスマス商戦のある10~12月に一番盛り上がり、1~3月は閑散期となります。4~6月からクリスマス商戦に向けて徐々に経済が盛り上がり、7~9月・10~12月にかけてクライマックスを迎えるというパターンを繰り返しています。

 GDP(国内総生産)は季節調整をした数字をみんな見るので、こうした季節性が分かりにくくなっています。でも、米国民が肌で感じる経済は、季節調整前のものです。10~12月まで盛り上がっていた米経済が、1~3月に急にさびしくなったという実感が起こります。10~12月にかけて上昇していた米国株が1月に下がりやすいのは、そういう理由もあると私は考えています。