米決算動向次第で日本株の下落シナリオが残る

 最後に、今週の株式市場は日本国内が選挙戦モードに突入する中で、海外では中国の7-9月期GDP(国内総生産)をはじめとする9月の主要経済指標(工業生産や固定資産投資、小売売上高など)が発表されるほか、米国ではテスラやインテル、ネットフリックス、J&Jなど、注目企業の決算発表が増え始めます。

 先ほども触れたように、先週の米株市場は、堅調な企業業績と米金利上昇の落ち着きの「合わせ技」によって、株価が反発する場面が見られたこともあり、今週も引き続き、業績と金利の組み合わせが焦点になります。

 さらに、国内の「衆議院解散から総選挙の投開票日までのあいだは株価が上昇しやすい」というアノマリーも追い風となれば、もう一段階の高い戻りを試す展開も想定されそうです。

 反対に、金利の再上昇やインフレ懸念、サプライチェーン(供給網)の混乱、中国の景気減速などの影響が、業績見通しに反映される企業が目立つようになると、再び株価が下落に転じる可能性があります。

 特に、米国では今週テスラとインテルの決算発表が予定されていますが、中国景気や半導体不足の影響を見極める材料として注目され、企業の業績期待が不安材料を払拭(ふっしょく)できるかがカギを握ります。

 米決算動向が良好であれば、日本企業の決算期待につながり、米国株の「後追い」で上昇することが見込まれる一方、業績への警戒が高まった場合には、これから本格化する国内決算シーズンを前に「先取り」で下落する展開もシナリオとしては残されているので、一応注意しておく必要がありそうです。