NYダウ、S&P500、NASDAQともに上昇

 また、先週末にかけての株価上昇は、米国株の動きがきっかけとなっています。米長期金利の上昇一服をはじめ、堅調な経済指標、企業決算の好調な滑り出しを背景に、米主要株価指数は週間でNYダウ平均株価が1.58%上昇、S&P500が1.82%の上昇、NASDAQが2.18%の上昇となっています。

■(図4)米NYダウ(日足)とMACDの動き(2021年10月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週のNYダウは上の図4をみても分かるように、50日移動平均線で上値が跳ね返される「リターン・ムーブ」の傾向が続いていましたが、週末にかけて、14日(木)には、25日と50日移動平均線の「2本上抜け」を達成し、翌15日(金)には「窓」空けで一段高となり、上値ラインも突破しています。

 下段のMACDを見ても、微妙ながらも「0ドル」ラインを超えてきており、チャートの形がかなり良くなっています。

 気になるのは、50日移動平均線水準を回復するまでの期間で、6月の時は7営業日と短い期間で回復していたのですが、足元は26営業日もかかりました。

 この期間について、「時間と価格の調整が十分に進んだ」という見方と、「すでに、相場の地合いが変化しており、足元の株価上昇は一時的」という見方のどちらの受け止め方をすべきかで意見が分かれるかもしれません。

 もっとも、先週末にかけての50日移動平均線の突破の仕方が強いこともあり、現時点では強気のスタンス判断が良いかもしれません。

■(図5)米NASDAQ(日足)とMACDの動き(2021年10月15日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週のNASDAQもNYダウと同様に、50日移動平均線を突破しましたが、15日(金)の小さいローソク足にも表れているように、50日移動平均線からの上放れに勢いがなく、上値ラインも突破できてはいないので、NYダウと比べてまだ弱々しさもうかがえます。

 下段のMACDも、MACDがシグナルを上抜けしましたが、水準自体はまだ「0p」ラインよりも下に位置しています。

 とはいえ、直近の安値水準は図5にもあるように、4月末の高値がサポートとなる一本の水平ラインが描けるように、下値の堅さが感じられます。

 ハイパーグロース株がひしめくNASDAQは引き続き米金利の動向に敏感に反応しそうですが、ひとまず上方向への意識を取り戻しつつあるように感じられます。