引き続き次の下落局面に注意

 同じく、前回のレポートでは60分足のチャートを紹介し、「上昇推進のリズムから、下落推進のリズムに移った可能性がある」ことについても述べましたので、こちらについても先週の値動きでどうなったのかを確認していきます。

■(図2)日経平均(60分足)のエリオット波動(2021年10月15日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2では、8月20日の年初来安値を起点に、9月14日の年初来高値まで、ピンク色の上昇推進の波を描いていましたが、修正の第4波が株価の下げ過ぎによって上昇1波の高値を下回ってしまい、上昇推進の波が崩れてしまいました。

 その代わりとして、9月14日の年初来高値を起点としたオレンジ色の下落推進の波を描き始めていると思われます。

 先週の日経平均は戻り基調となったため、足元の状況は下落推進の第3波(オレンジ色の線)から上昇修正の第4波が続いている状況です。

 引き続き、この上昇修正第4波が終了した後に下落推進の第5波が訪れることが想定されるため、目先の相場で気を付けなければいけないのが「次の下落局面」になること自体は、前回の見方と変わっていません。

 このまま4波の上昇が継続して、下落1波の安値(2万9,573円)を超えた場合には、今度は下落推進の波が崩れ、上昇が加速する可能性があります。

値動きの目安

 ちなみに、図1で注目した25日移動平均線ですが、15日(金)時点は2万9,310円ですので、2万9,500円を挟んだ価格帯が勝負のポイントになりそうです。

 となると、25日移動平均線乖離(かいり)率のボリンジャーバンドが値動きの目安として使えそうです(下の図3)。

■(図3)日経平均移動平均線乖離率(25日)のボリンジャーバンド(2021年10月15日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡのデータを元に筆者作成