日足・週足チャートは目先の戻りを期待させる印象

 次に、週足チャートでも日経平均の動きを確認します。

■(図2)日経平均(週足)のフィボナッチ・ファンとMACD(2021年10月8日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2は、週足の日経平均に、昨年(2020年)の3月19日週と今年(2021年)の2月19日週を起点とした「フィボナッチ・ファン」を描いたものです。

 まず、足元のローソク足ですが、13週・26週移動平均線の「2本抜け」と同時に、52週移動平均線がサポートとなっており、中期的な相場はまだ崩れずに持ちこたえているように見えます。52週移動平均線は直近の8月や、昨年6月と7月にもサポートして機能しています。

 さらに、このサポートとなっている52週移動平均線が、ちょうどフィボナッチ・ファンの50%ラインとも重なっていることが分かります。8月のケースでは株価がフィボナッチ・ファンの38.2%ラインまで戻して年初来高値を更新しました。

 このように、日足と週足チャートからは、目先の株価の戻りを期待させる印象となっています。

「次の下落局面」に要注意

 また、前回のレポートでは、分足(60分足)チャートで、「まだ下げ余地があるものの、下値の目安が次々と切り下がって不安定さが増し、冷静さが失われつつある」と述べました。そのため、先週の値動きによって、見方に変化が生じていないかも検証したいと思います。

■(図3)日経平均(60分足)のフィボナッチ分析とエリオット波動(2021年10月8日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 前回のレポートでは、「日経平均が8月20日の年初来安値を起点に、エリオット波動の「上昇推進」のリズムとなっており、足元は下落修正の第4波を描いている最中」、また、「この第4波の許容範囲は広く、上昇推進第1波の高値を下回らなければ大丈夫」と述べました。

 しかし先週の下落によって、その第1波の高値を下回ってしまい、第4波が崩れてしまいました(ピンク色の線)。

 そのため、今度は前回までの「上昇推進」のリズムから、「下落推進」のリズムに移った可能性があります。その場合、年初来高値を更新した9月14日を起点に、波動をカウントしていくことになります(オレンジ色の線)。

 となると、先週の値動きによって、下落推進の第3波から、上昇修正の第4波に差し掛かりつつある状況と考えられ、この上昇修正第4波が終了した後に、下落推進の第5波が訪れることが想定されます。

 つまり、目先の相場で気を付けなければいけないのは、「次の下落局面」ということになります。