日経平均は3週連続下落。週末にかけてやや持ち直す

 先週末10月8日(金)の日経平均株価終値は2万8,048円でした。前週末終値(2万8,771円)からは723円の下落、週足ベースでも3週連続の下落となりました。

 今週の国内株市場は、「アフター米雇用統計」で迎えるわけですが、その米雇用統計に対する米国株市場の初期反応が小幅安と微妙なものとなっています。

 それもあって、引き続き、中国恒大集団の債務問題や、米長期金利の動向とその背景にある資源価格の高止まりや、サプライチェーン(供給網)の企業業績への影響などをうかがいながら株価水準を探る展開となりそうです。

 とりわけ、今週は米国では大手金融機関、日本国内では大手小売・国内消費関連企業の決算が予定されています。

 米国のテーパリング(量的緩和縮小)への道筋がほぼ明確になり、日米の決算シーズンが本格化しつつある中、今週の企業決算を受けた株式市場の動きは、金融相場から業績相場へのスムーズなバトンタッチができるかの試金石になりそうです。

 まずは、いつものように足元の状況から確認していきます。

■(図1)日経平均(日足)とMACDの動き(2021年10月8日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて、先週の日経平均の動きを振り返ると、下げ幅が拡大する動きから、週末にかけてやや持ち直す展開となりました。

 具体的に見ていくと、週初の4日(月)の取引は反発し、節目の2万9,000円台を回復するスタートとなったのですが、その後に失速してマイナスに転じ、結局この日は株価が75日・200日の移動平均線を下抜ける、いわゆる「2本抜け」となって、さらなる下落を暗示する形となりました。

 実際に、翌5日(火)は「窓」を空けて下落し、2万8,000円台を下回ってしまいました。続く6日(水)も反発でスタートしたのですが、売りの勢いにあらがえず、週間の安値となる2万7,293円をつける場面もありました。

 週末にかけての7日(木)と8日(金)は、さすがに下げのペースが急ピッチだったこともあって、買い戻される動きとなりました。2万8,000円台は何とか回復しましたが、両日のローソク足は上ヒゲの長い「コマ足」となっており、売りの強さが感じられます。

 そのため、先週の日経平均の推移は、目先の反発期待よりも、ポジションを外す動きの方が強かったと思われます。

 先週の動きによってポジション整理の動きが一巡できていれば、今週は大きな株価の戻りも期待できますが、今度は短期の利益確定売りが上値を抑える可能性があり、75日・200日といった移動平均線や、節目の株価水準あたりでの攻防が焦点になりそうです。