まずは2月16日の高値が焦点に。その先の上値はどうなる?

 まずは、2月16日の高値を超えられるかが今週の焦点になりますが、さらにその先の上値はどのくらいを想定すれば良いのでしょうか?

 前回のレポートでは75日移動平均線乖離(かいり)率のボリンジャーバンドを手掛かりに見ていきましたが、今週はテクニカル分析で一般的に用いられている「目標値計算」です。

■(図2)日経平均(日足)の目標値計算

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 目標値の計算には、「足元の上昇の起点となった地点」「その前につけた高値」「さらに高値に至る起点」の3つを使います。

 上の図2で見ていくと、日経平均は昨年の10月30日(2万2,948円)を起点に、今年2月16日の高値(3万714円)まで7,766円の値幅で上昇しました。

 その後、年初来安値を更新した8月20日の安値(2万6,954円)まで下落しましたが、その下げ幅は3,760円です。また、10月30日と8月20日の起点どうしの上昇幅は4,006円です。

 そして、この3つの値幅を用いて株価の目標値を計算します。計算と言っても単なる足し算なのですが、上の図2では、「VT計算値」、「V計算値」、「N計算値」、「E計算値」を表示させています。

 仮に、2月16日の高値(3万714円)を達成できれば、次の目標はVT計算値(3万960円)になりますが、さらにその先のV計算値(3万4,474円)やN計算値(3万4,720円)までには3,500円以上のひらきがあり、上値の「空白地帯」となっています。この空白を埋めるには相当の買い意欲が必要になりそうです。