日経平均・TOPIXの値動きを分足で分析
とはいえ、足元で見られるような相場の急上昇をいつまでも続けるには無理があります。そのため、目標値計算のような大ざっぱな方向性と同時に、日々の値動きについても見ていく必要があります。
そこで、最後に日足では急角度で上昇している値動きを、分足(60分)で細かく見ていきたいと思います。
■(図5)日経平均(60分足)とギャン・アングル(2021年9月10日取引終了時点)
上の図5は日経平均が年初来安値を更新した8月20日の安値を起点にした60分足にギャン・アングルを重ねたものです。
先週の日経平均は2×1ライン上での推移が続いていますが、上昇の初期段階では4×1ラインにタッチする場面があるなど、分足チャートでは、日足チャートの急角度では見えなかった相場の上げ下げの様子(波)が何となく見えてきます。
こうした上げ下げの波を分析する手法に「波動論」というのがあります。有名なものとしては、「エリオット波動」や「三段高下」などがありますが、足元の上昇は、「最後の上昇とされる第5波に入っている」なのか、「まだ第3波が継続している」との2つの解釈ができそうな状況です。
いずれにしても、近いうちに下げの局面の到来が想定されます。その場合、2×1ラインや節目の3万円、そして3×1ラインで下げ止まれるかが注目されそうです。
■(図6)TOPIX(60分足)とギャン・アングル(2021年9月10日取引終了時点)
TOPIXについては、株価が2×1ラインと3×1ラインの範囲内で推移しています。TOPIXの波動分析も、第5波なのか、まだ第3波なのか見方が分かれていますが、しばらくはこの範囲内での推移が想定されそうです。
上値のメドは節目の2,100pや2×1ライン、下値のメドは3×1ラインあたりになります。
日経平均・TOPIXともに、日足チャートでは強い形をたどっていますが、分足チャートで株価が下がった場合、この3×1ラインを下放れするような動きになってしまうと、調整が深くなるシナリオも浮上してくることになります。したがって、今週はTOPIXの動きがカギを握りそうです。