直近のグロース株相場は約10年、次は?

【3】1990~1995年:ややバリュー優位
 バブル崩壊で、日経平均は暴落しました。バリュー株もグロース株も下落しましたが、相対的にはバリュー株の方が下げが小さく済みました。95年には、一時1ドル80円まで円高が進みました。

【4】1995~1999年:グロース優位、1999年は極端なグロース株相場
 1995年から円安が進むようになりました。そこで、再びグロース株(輸出株)優位の相場が
始まりました。

 19851987年に円高と日米貿易摩擦に苦しんだ日本の輸出産業は、その後、コストカットと海外生産移行の構造改革を行いました。その成果で、グロース優位の相場展開に。1999年には、グロース株(IT関連株)しか買われない、極端なグロース株相場(ITバブル相場)が起こりました。

【5】2000~2010年:バリュー株相場
 ITバブル崩壊でグルース株が急落する中、バリュー株に見直し買いがはいりました。2002年にはITバブル崩壊不況がありました。

 2003年以降、金融危機を克服して、構造改革を推進した日本企業が復活。さらに、中国・インド・ブラジルなど新興国の成長加速の恩恵を受け、日本の重厚長大産業の業績が急速に改善。バリュー株優位の相場となりました。

【6】2011~2020年:グロース優位、2020年は極端なグロース株相場に
 ITによって経済の変革が加速。情報通信・サービス・バイオ・消費成長株などのグロース株ばかりが上昇し、バリュー株がほとんど上がらない二極化相場が続きました。

 2020年は、コロナ禍で日本中の企業業績が大きく落ち込むなかで、業績好調を維持したIT関連などのグロース株に物色が集中しました。

 明日、2021年はバリュー株が優位になると考える、環境の変化について解説します。