大型バリュー株の割安度が際立ってきたと考えている

 株式投資の代表的スタイルに、2つあります。1つはグロース(成長)株投資、もう1つはバリュー(割安)株投資です。読者の皆様は、どちらのスタイルに近い方ですか?

 東証マザーズ株のIT関連株やバイオ株に投資するのは、グロース株投資です。東証一部の大型高配当利回り株に投資するのはバリュー株投資です。

 過去10年、日本株では、グロース株優位が続いています。過去4年で、その傾向が加速しています。昨年(2020年)は、グロース株指数がバリュー株指数を27%も上回るパフォーマンスとなりました。※ラッセル野村グロ-ス・バリュー指数(配当込み)から計算。

 グロース優位が10年あまりも続いたので、「グロース株に投資しないと話にならない、バリュー株なんか持っていてもダメ」という感覚を持つ投資家が増えてきています。

 ただし、あまりにグロース中心の相場、バリュー不振が長く続いたため、大型バリュー株の割安度(配当利回り、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などの株価バリュエーョンで評価)は、かつてないほど、際立っています。

 配当利回りで見ると、よくわかります。45年前、大型の高配当利回り株といったら、配当利回り23%台が主流でした。ところが今、大型高配当利回り株で、配当利回り46%に達するものが増えています。長期金利がゼロに固定されている中で、魅力的な利回りと言えます。

 グロース株のバリュエ-ションが高くなる中、バリュー株の割安度が際立ち始めていることから、経験則では、いずれバリュー株の見直しが起こると考えられます。私は、それが2021年に起こると予想しています。2021年はバリュー株のパフォーマンスがグロース株を上回ると予想しています。

 1月に入ってから、その兆しがすでに出ています。コロナショック後のパフォーマンスが悪かった高配当バリュー株の上昇率が高くなり始めています。この傾向が当面続くと予想しています。

 以下に、バリュー株が見直されるイメージ図をつけました。ご覧ください。

成長株優位・割安株優位は循環する(イメージ図)

出所:筆者作成

 現在の日本株は、上記イメージ図で「成長株相場が終わり、割安株相場に転換する」転換点に近づいていると、私は考えています。